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精神疾患一覧|厚生労働省の分類にもとづく主な病気の種類と特徴

「うつ病」「パニック障害」「発達障害」など、精神疾患に関する言葉を耳にする機会は年々増えています。しかし、実際にどのような種類があり、それぞれどう違うのかを正確に知っている人は多くありません。

この記事では、厚生労働省の分類を参考にしながら、代表的な精神疾患を一覧で整理し、それぞれの特徴や原因、重症度の考え方、患者数の傾向まで、順を追って解説します。

この記事でわかること

  • 精神疾患の分類方法と、精神科・心療内科の違い
  • カテゴリー別の精神疾患一覧(カタカナ・アルファベット表記付き)
  • 共通してみられる原因
  • 「重い順」「ランキング」という考え方の是非
  • 珍しい精神疾患の例
目次

精神疾患とは?定義と分類の考え方

精神疾患とは、気分・思考・行動・対人関係などに何らかの不調が生じ、日常生活や社会生活に支障をきたしている状態の総称です。厚生労働省は、がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病と並び、精神疾患を「5大疾病」の一つに位置づけており、国内で精神疾患の治療を受けている総患者数はおよそ614.8万人にのぼると報告されています。

精神疾患の分類方法(ICD・DSM)

精神疾患は、世界保健機関(WHO)が定める国際疾病分類「ICD」や、アメリカ精神医学会が定める診断基準「DSM」に基づいて分類されるのが一般的です。日本の患者調査でも、ICDに準じた分類(気分障害、神経症性障害、統合失調症関連など)が用いられています。

分類上の名称と、実際に病院で使われる診断名は必ずしも一致しない場合があります。気になる症状がある場合は、分類名にとらわれすぎず、まずは専門機関に相談することが大切です。

また、ICDやDSMは医学の進歩に応じて改訂が重ねられており、以前は独立した病名だったものが統合されたり、新しい診断カテゴリーが追加されたりすることもあります。そのため、古い書籍やサイトに載っている病名と、最新の診断名が異なっている場合もある点には注意が必要です。

精神科と心療内科で扱う病名の違い

精神科は、気分の落ち込みや幻覚・妄想、強い不安など「こころ」の症状を中心に扱う診療科です。一方、心療内科は、ストレスなどが原因で胃痛や動悸、頭痛といった「体」の症状として現れる病気(心身症)を中心に扱います。

ただし、パニック障害や適応障害、不眠症などは、精神科・心療内科のどちらでも診療されることが多く、明確に線引きされているわけではありません。どちらを受診すべきか迷う場合は、まず心療内科に相談し、必要に応じて精神科を紹介してもらうという流れでも問題ありません。

クリニックによっては「心療内科・精神科」と両方を掲げているところも多く、看板の名称だけで診療内容を厳密に判断する必要はありません。迷ったときは、電話やウェブサイトで対応している症状を確認してから予約するとスムーズです。


精神疾患一覧|厚生労働省の分類とカタカナ・アルファベット表記

ここでは、代表的な精神疾患をカテゴリー別に一覧で整理します。カタカナ・アルファベット表記も併記していますので、調べたい病名がある場合の参考にしてください。

気分に関する精神疾患

病名表記特徴
うつ病デプレッション(Depression)気分の落ち込み、意欲低下が続く。最も患者数の多い精神疾患の一つ
双極性障害(躁うつ病)バイポーラー(Bipolar Disorder)躁状態とうつ状態を繰り返す
気分変調症ディスチミア(Dysthymia)軽度の抑うつ状態が長期間持続する

不安・ストレスに関する精神疾患

病名表記特徴
パニック障害パニックディスオーダー突然の動悸・息苦しさなどの発作を繰り返す
社交不安症SAD(Social Anxiety Disorder)人前での行動に強い恐怖を感じる
全般性不安症GAD(Generalized Anxiety Disorder)特定の対象がなく、慢性的に不安が続く
強迫性障害OCD(Obsessive-Compulsive Disorder)不合理とわかっていてもやめられない考えや行動を繰り返す
PTSD心的外傷後ストレス障害強いショック体験の記憶が、時間が経っても苦痛として残る
適応障害アジャストメントディスオーダー特定の環境・出来事がきっかけで心身の不調が生じる

精神病性の精神疾患

病名表記特徴
統合失調症スキゾフレニア(Schizophrenia)幻覚・妄想などの陽性症状と、意欲低下などの陰性症状がある
統合失調感情障害スキゾアフェクティブ障害統合失調症の症状と気分障害の症状を併せ持つ

依存症に関する精神疾患

病名表記特徴
アルコール依存症アルコホリズム(Alcoholism)飲酒のコントロールができなくなる
薬物依存症ドラッグディペンデンス薬物の使用をやめられない状態が続く
ギャンブル依存症ギャンブリングディスオーダーギャンブルがやめられず、生活に支障をきたす

発達に関する精神疾患(神経発達症)

病名表記特徴
自閉スペクトラム症ASD(Autism Spectrum Disorder)対人コミュニケーションの特性、強いこだわりなど
注意欠如・多動症ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)不注意・多動性・衝動性が特徴
学習障害LD(Learning Disorder)読み書き・計算など特定の学習分野に困難がある

その他の主な精神疾患

病名表記特徴
摂食障害イーティングディスオーダー拒食症・過食症など、食行動に関する問題
睡眠障害スリープディスオーダー不眠症をはじめとする睡眠に関する問題の総称
パーソナリティ障害パーソナリティディスオーダーものの捉え方や対人関係のパターンに強い偏りがある
解離性障害ディソシエイティブディスオーダー自分が自分であるという感覚が失われる
認知症ディメンシア(Dementia)記憶や思考など認知機能が低下する。アルツハイマー型・血管性などがある
てんかんエピレプシー(Epilepsy)脳の電気的な異常により発作を繰り返す神経疾患

ここに挙げたのは代表的な病名の一部です。実際にはさらに細かく分類された診断名が数多く存在し、複数の疾患が併存することも珍しくありません。


精神疾患の種類をセルフチェックする際の考え方

一覧を見て「自分に当てはまるかもしれない」と感じる項目があった方もいるかもしれません。セルフチェックを行う際にいくつか気をつけたい点があります。

  • 症状が「複数」かつ「長期間(目安として2週間以上)」続いているか
  • その症状によって、仕事・学業・対人関係に実際の支障が出ているか
  • 一つの病名に無理に当てはめようとしていないか

複数の病気の症状は重なり合う部分が多く、ネット上のチェックリストだけで自己診断を確定させることはできません。あくまで受診を検討するきっかけとして活用し、最終的な判断は専門家に委ねましょう。

また、症状を調べれば調べるほど不安が強くなり、かえって精神的な負担が増えてしまうこともあります。これは「サイバーコンドリア(インターネット心気症)」とも呼ばれる現象で、検索自体が目的化してしまわないよう、ある程度の情報収集で区切りをつけることも大切です。


精神疾患の原因一覧|共通してみられる要因

個別の病気ごとに原因の詳細は異なりますが、多くの精神疾患は「生物学的要因」「心理的要因」「社会的要因」が組み合わさって発症すると考えられています(生物心理社会モデル)。

要因具体例
生物学的要因脳内の神経伝達物質のバランス、遺伝的な気質、身体疾患の影響
心理的要因性格傾向、ものの考え方のクセ、過去のトラウマ体験
社会的要因職場・家庭でのストレス、孤立、経済的な問題、環境の変化

どの精神疾患も、単一の原因だけで説明できるものはほとんどありません。「自分の性格が弱いから」「家族のせいだ」と一つの要因に決めつけず、複合的な視点で捉えることが大切です。

たとえば同じ「職場のストレス」という社会的要因があっても、発症する人としない人がいます。これは、その人がもともと持っている気質(生物学的要因)や、ストレスへの対処の仕方(心理的要因)が異なるためです。原因を一つに絞り込もうとするより、自分の場合はどの要因が重なっているのかを整理する視点のほうが、対処法を考えるうえで役立ちます。


精神疾患に「重い順」はある?重症度の考え方

「精神疾患 重い順」と検索される方は多いのですが、結論から言うと、病名だけで一律に重さの順位をつけることはできません。

同じ「うつ病」という診断名でも、症状が軽く仕事を続けられる人もいれば、日常生活が困難になるほど重い状態の人もいます。逆に、一般的に「軽い」と思われがちな適応障害でも、環境が変わらなければ深刻化することがあります。

重症度は、診断名そのものよりも「症状の強さ」「持続期間」「生活への支障の程度」によって個別に判断されるものです。ネット上の順位付けを鵜呑みにして、自分や身近な人の状態を軽視したり過度に不安になったりしないよう注意しましょう。

あえて傾向を挙げるなら、統合失調症の急性期や重度のうつ病、自傷・自殺のリスクが高い状態などは、入院を含めた迅速な医療介入が必要になりやすいとされています。ただし、これも個人差が大きく、「この病名だから軽い/重い」と単純化できるものではないという前提を忘れないでください。

「重い順」というランキングを探す背景には、「自分や家族の状態がどれくらい深刻なのか知りたい」という切実な思いがあることが多いものです。その場合は、順位付けを探すよりも、今出ている症状の強さや持続期間、生活への支障を具体的に医師に伝え、個別に評価してもらうほうが、実際の助けにつながります。


精神疾患の患者数からみる傾向(ランキング的にみると)

「どの精神疾患が多いのか」という関心も高いテーマです。厚生労働省の患者調査によると、国内で精神疾患の治療を受けている総患者数は約614.8万人(外来・入院合計)にのぼります。

疾患群別に見ると、「気分障害(うつ病・双極性障害を含む)」「神経症性障害・ストレス関連障害及び身体表現性障害(パニック障害や適応障害などを含む)」が、患者数の多い上位を占める傾向にあります。高齢化に伴い、認知症の患者数も増加が続いています。

これらの数字はあくまで統計上の傾向であり、「患者数が多い=軽い病気」という意味ではありません。身近で頻度の高い病気だからこそ、正しい知識を持っておく価値があるということです。

精神疾患は誰にでも起こり得る身近な病気である一方、まだ偏見や誤解も残っています。患者数の多さを知ることは、「特別な人だけがかかる病気ではない」という理解を広げることにもつながります。


珍しい精神疾患も存在する

一般によく知られた病気の他に、発症頻度が非常に少ない、珍しい精神疾患も報告されています。

  • カプグラ症候群:身近な人が「そっくりの偽物」に入れ替わっていると確信してしまう妄想性の症状
  • コタール症候群:自分がすでに死んでいる、体が存在しないと確信してしまう症状
  • エコー・ド・パリ(反響言語):相手の言葉をそのまま反復してしまう症状で、統合失調症や自閉スペクトラム症などでみられることがある

これらは、統合失調症や重度の気分障害、脳の器質的な障害などに伴って現れることがある症状であり、それ自体が独立した一般的な診断名として日常的に使われるわけではありません。珍しい症状ほど、専門的な鑑別診断が必要になります。

こうした珍しい症状は、メディアやSNSで興味本位に取り上げられることもありますが、実際に経験している本人にとっては、強い苦痛や生活の困難を伴う深刻な症状です。珍しさに注目するのではなく、その背景にある苦しさに目を向ける姿勢が大切です。


精神疾患一覧に関するよくある質問

精神疾患の正式な一覧はどこで確認できますか?

厚生労働省の「知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス総合サイト」で、代表的な精神疾患について解説が公開されています。より専門的・網羅的な分類を確認したい場合は、WHOの国際疾病分類(ICD)が基本的な参照先になります。

複数の精神疾患を同時に発症することはありますか?

あります。たとえば、うつ病とパニック障害、発達障害と二次的な不安症など、複数の疾患が併存するケースは珍しくありません。

精神疾患は一度診断されたら一生治らないのですか?

疾患によります。適応障害のように環境の改善で回復するものもあれば、統合失調症や双極性障害のように長期的な治療・服薬管理を必要とするものもあります。多くの疾患は、適切な治療によって症状をコントロールしながら生活することが可能です。

病名がまだわからない場合、何科を受診すればいいですか?

まずは精神科・心療内科いずれかを受診すれば問題ありません。問診の中で、必要に応じて他の診療科や専門的な検査を案内してもらえます。

精神疾患一覧を知り、正しい理解につなげるために|まとめ

精神疾患には多くの種類があり、それぞれ原因や症状の現れ方が異なります。「重い順」や単純なランキングで割り切れるものではなく、一人ひとりの状態に応じた理解が必要です。

この一覧はあくまで基礎知識としての整理です。気になる症状がある場合は、自己判断で完結させず、精神科・心療内科への相談を検討してみてください。

病名を知ることは、自分や身近な人の状態を理解するための入り口にすぎません。大切なのは、名前をつけることそのものよりも、その先にある「どう付き合っていくか」を考えることです。

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